「食育」のふるさと福井。

高校生のみなさんへ

福井県はなぜ食育のふるさとなの?そもそも食育ってなんだろう?と疑問に思った皆さん!是非一緒に食育について学びませんか?

「食育」とは?

 食育基本法では、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることと定義しています。
 この食育基本法の礎は、「石塚左玄(いしづかさげん)」の教えそのものであり、そのため、左玄は「食育の祖」と言われています。

「食育の祖」石塚左玄(いしづかさげん)

 福井県出身で陸軍薬剤監だった左玄は、45歳のときに出版した「化学的食養長寿論」(明治29年)の中で、地方に先祖代々伝わってきた伝統的食生活にはそれぞれ意味があり、その土地に行ったらその土地の食生活に学ぶべきであるという「身土不二(しんどふじ)」の原理を発表するとともに、食の栄養、安全、選び方、組み合わせ方の知識とそれに基づく食生活が心身ともに健全な人間をつくるという教育、すなわち『食育』の大事さを説いています。
 また、「通俗食物養生法」(明治31年)では、「今日、学童を持つ人は、体育も智育も才育もすべて食育にあると考えるべきである」と述べています。
 福井は、「食育」という言葉を日本で初めて使った「石塚左玄」が生涯の食への考え方を育んだ土地であり、その意味では「食育」という言葉のふるさと、「食育のルーツは福井にある」といえます。

 

石塚左玄
26歳時の写真(明治10年)

出展:NPO法人フードヘルス石塚左玄塾

左玄の教え

 左玄の養生論は、次の5つの原理を骨子とし、この思想は、治療よりも「未病を治す」という現代の綜合医学に継承されています。

(1)食物至上論(食本主義)
心身は食によってつくられ、食が人の健康を左右するという食養生の基本の考えです。
(2)陰陽調和論(ナトリウム・カリウム均衡食論)
世界は陰陽二元の原理に支配されていて、その調和の上に成立しているというように、食もバランスが大事という考えです。
ちなみに左玄は、陰は「カリウム」、陽は「ナトリウム」と定義しています。
(3)穀食動物論(穀食主義)
人はその歯やあごの形状から、雑食や草食や肉食でなく、穀物を主に食する動物であるという考えです。
(4)一物全体食論(自然食主義)
栄養は食べ物の一部分でなく、全体にあるから全体食が良いという考えです。
(5)身土不二(風土食論)
住んでいる地域の農産物は、そこに住んでいる人に優しく新鮮で、栄養価値が高いため良いという考えです。現代の地産地消と同じ意味合いをもつ言葉です。

食育の祖 石塚左玄物語(岩佐勢市 正食協会)より
病は食から「食養」日常食と治療食 (沼田勇著 農文協)より
NPO法人日本綜合医学会HPより